fMRIの基礎

fMRIの基礎

fMRIはBOLD効果から

1989年IBM研究所の小川誠二が発表した一つの論文がfMRIの扉を開くことになりました(Ogawa S, 1990, Magn Reson Med)。それはラットの脳のMRI信号が酸素濃度に依存して変化する物です。血液中のヘモグロビンは鉄原子をもちます。そして鉄は磁性体です。一方、ヘモグロビンは酸素の運搬を担う構造を持ちます。実は酸素原子も磁性体です。磁性体にはNとSがありますが、2つの磁石はNとSが引き合うように近づき磁力曲線は閉じてしまうため磁性の及ぶ範囲が小さくなります。磁場の歪みは見かけの横磁化、つまりT2*に影響します。酸素と結合しないヘム鉄(デオキシヘモグロビン)は磁場の歪みを増大させT2*が短縮します。一方、オキシヘモグロビンはT2*が延長します。これがT2*強調画像の信号を変化させることを、投与する呼気の酸素濃度を変えたラットの脳の画像で示しました。それはBOLD (Blood Oxygen Level Dependent)効果と命名されました。その後、脳の活動でわずか数パーセントの信号変化が生じていることがfMRIの研究に発展しました。

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この没入型イベントでは、歴史と祖先という視点を通じて普遍的な人間の経験を称え、さまざまな文化と歴史的瞬間の本質を捉えた多様な写真家たちの作品を特集します。

グレーの背景に白い花のクローズアップ写真