diffusionのMPG (motion probing gradient)を一方向、例えばX方向に印可したときに得られる情報はx方向の拡散の早さです。もしy方向に書ければy方向の拡散速度がえられます。こうして複数の方向に書けたデータたからはどの方向に一番拡散が早いかを知ることができます。この一番早い拡散方向をλ1として、その垂直成分で次に早い方向をλ2、その2軸に垂直方向がλ3となります。神経線維ではλ1の方向ベクトルをつないでいくと神経線維をconputer graphicsで表すことができます。この画像をfiber. trackingといいます。fiber trackinを行うソフトとしてはいかのものがあります。
無料のfiber trackingソフトウエア(2025.05.11 chatGPT)
1. MRtrix3
- 特徴:先進的なファイバートラッキング(特に CSDベース)に強い
- 対応:DTI・HARDI・FODs(球面分解能)など広範囲
- 動作環境:Linux / macOS / Windows(WSL)
- 可視化:
mrviewで3Dトラクト表示可能 - 学術利用実績:非常に多い
- URL:https://www.mrtrix.org/
2. DSI Studio
- 特徴:GUIベースで初心者にも扱いやすい。Fiber tracking・connectome対応
- 対応:DTI、DSI、GQIなど様々な拡張モード
- 動作環境:Windows / macOS / Linux
- 出力:トラクト画像、統計解析、connectome matrix など
- URL:http://dsi-studio.labsolver.org/
- manual_mristudio, fiber_tracking_youtube
3. 3D Slicer + SlicerDMRI 拡張
- 特徴:汎用3D医用画像ツール「3D Slicer」に拡張モジュール「SlicerDMRI」を追加する形
- 対応:DTI解析、Tractography、FAマップ生成など
- GUI:あり、視覚的に操作しやすい
- URL:
- 3D Slicer: https://www.slicer.org/
- SlicerDMRI: https://dmri.slicer.org/
4. FSL (FMRIB Software Library)
- モジュール:
FDT(FMRIB’s Diffusion Toolbox) - 機能:ベイジアン推定に基づくファイバー推定・Probabilistic Tractography(
probtrackx)など - 可視化:FSLeyes などでトラクト表示可
- URL:https://fsl.fmrib.ox.ac.uk/fsl/fslwiki/FDT
🔧 比較表(簡易)
| ソフト名 | GUI | 高度な解析 | 学習コスト | プラットフォーム |
|---|---|---|---|---|
| MRtrix3 | ◯ | ◎ | 中〜高 | mac / Linux / Win(WSL) |
| DSI Studio | ◎ | ◯ | 低 | mac / Win / Linux |
| 3D Slicer | ◎ | ◯ | 中 | mac / Win / Linux |
| FSL | △CLI中心 | ◎ | 中〜高 | mac / Linux |
🎯 初学者向けのおすすめは?
- まず使ってみたい → DSI Studio
- 将来的に高度な解析(球面分解能・multi-shellなど)を行いたい → MRtrix3
- 医学・臨床でGUI中心に作業したい → 3D Slicer
データの変換とMPGのtable listの出力
MRIcloGLを利用してdicomからniflti形式に変換するときにMPGのリストが同時に出力されます。MRIcroGLでトップメニューからimport DICOM to niftiを選択します。
変換するデータフォルダを指定して実行すると、.bvalおよび、.bvecが出力されます。このデータを利用してDTIを処理していきます。
骨格筋についてもFiber Trackingを利用して筋繊維の画像化が行われています。2018 NMR Biomedicineに掲載されたB M Damonらの報告はその一つです。Tohoku J. Exp. Med., 2022に掲載されたT Suganoらは咬筋線維を描出しています。